第5章 中国人妻をめぐるトラブル[1]

@筆者:五味洋治プロフィール [ 2011年 7月 19日 ]

外国人犯罪は減少傾向

「日本の凶悪犯罪の少なくとも半分ぐらいは中国人によって引き起こされる」ー中国人の犯罪について書いた「反日教育を煽る中国の大罪」(黄文雄著、日本文芸社)にこう書かれている。。
「ピッキングは99%中国人の犯罪だ。一家皆殺しも起きている。中国によく見られる『滅門』事件だ」とある。
確かにピッキングや、全身をテープでぐるぐる巻きにしてから乱暴する手口は中国でよくみられるというが、最近では日本人もまねしている。
外国人の犯罪と聞けば、不安が高まる。マスコミも日本人の犯罪に比べ、大きく書く傾向にある。実際はどうなのだろうか。
警察庁によれば、外国人犯罪は3年連続で減少している。2008年1年間に警察が摘発した来日外国人(永住者らを除く)による犯罪は、前年比12・6%減の31280件、摘発人数も12・8%減の13872人で、いずれもピークの2005年から3年連続で減少している。
内訳をみると刑法犯が9・7%減の23229件、入管難民法違反などの特別法犯が19・9%減の8051件だった。摘発人数を国籍別にみると、中国が4856人で全体の35・0%を占めて最多だった。次いで韓国1603人の順となっている。
犯罪を起こした後、国外に逃げた外国人容疑者は合計633人。国別では中国人が278人で最も多かった。これは13億の人口から考えて当然だろう。

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情報漏洩から替え玉殺人まで

いきなり外国人犯罪のことを書いたのは理由がある。ここ数年、中国人妻が絡んだ事件が相次いだからだ。
2007年、海上自衛隊の2等海曹がイージス艦の構造図面などを持ち出したことが発覚した。彼の妻が中国人籍で、出入国管理法違反容疑で警察に調べられた際、押収された外付けハードディスク(HD)内にイージス艦の情報が発見された。一時は、国際的スパイ事件ではないかと大騒ぎになったが、結果的には、自衛隊の機密情報は海外に流れたという確認はできず、機密情報のお粗末な管理ぶりが明るみになった。
関与した隊員2名が懲戒免職、17名が5日以上の停職(重処分)となっている。当時の海上幕僚長の辞任にも発展した。中国籍の妻は、入管法違反で実刑判決を受けている。
2006年、千葉県光町で、中国生まれの妻が、農業を営む夫(54)に糖尿病治療用のインスリンを注射し殺害しようとした事件が起きた。
Sは殺人未遂を否定したが、東京高裁は2007年暮れ、懲役15年とした1審・千葉地裁判決(3月)を支持し、被告側の控訴を棄却した。
中国籍で無職のT(37)は、3年前の2月、滋賀県長浜市で娘と同じ幼稚園に通っていた当時5歳の2人を車で幼稚園に送る途中、包丁で刺して殺害した罪などに問われた。1審は無期懲役。2審も無期懲役となって、最終的に検察側と弁護側の双方が上告を断念し、女の刑が確定した。
Tは、中国東北部の黒竜江省から日本に嫁いできた。県警の調べ官に「いい暮らしがしたかった」と来日の真意を漏らしたという。
犯行の動機は「なれない土地での孤独感」とも言われたが、はっきりしたことはまだ分かっていない。
この事件を教訓に、長浜市には外国人女性が集うサロンが生まれた。毎月一回開かれ、主婦を中心に二十〜四十代の中国出身者十数人が集まり、悩みを打ち明け合っている。
元スナック経営の女性、Rが世の中を騒がせたのは2007年のことだ。
大阪市中央区の元鉄道公安官の男性Aさん(当時77歳)が失跡後、Aさんを名乗る別人2人が変死するというミステリー小説ばりの奇怪な展開をたどった。
その後の捜査でAさんの死亡を偽装して財産を奪うために、Aさんの戸籍上の妻で、中国人の元スナック経営、R(51)が替え玉のKさん(当時69歳)を殺害した疑いが高まり、逮捕された。
Rは結局、計3人を殺害したとして、大阪地裁で2010年1月28日、無期懲役を言い渡された。

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完全偽装

外国人が結婚を通して、日本での滞在が認められるには2つの方法がある。最初は、海外に住む外国人が婚姻後、日本に移住すること。これは、最も一般的な方法である。
2つめはすでに何らかの在留資格で日本に住む外国人が日本国籍を持った人などと結婚して配偶者ビザに切り替える「在留資格変更」である。
この二つをめぐり偽装結婚が仕組まれ、大きな金が動くことがある。
警視庁組織犯罪対策1課と目白署が、2008年暮れ、電磁的公正証書原本不実記録と同供用の疑いで、有名漫画家の元マネジャーで絵本作家(69)を逮捕したと報道されたことがある。
自分のアシスタントをしていた中国人女性の滞在期限が切れたことから、在留許可を取らせるために、別の部下日本人女性の元夫(44)と偽装結婚させ、豊島区役所に婚姻届を提出させた疑い。元マネージャーは「夫婦」の保証人になっていた。
偽装結婚した中国人の女は、元マネージャーから頼まれて、絵本を翻訳する仕事を手伝っていたという。
これは「完全偽装離婚」と言われるもので、相手は中国人だけではなく、韓国人やフィリピン人のこともある。関係者は法によって処罰される。

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行政書士が関与も

在留資格の変更をめぐる不正も少なくない。
都内などでは、在日中国人向けのフリーペーパーが発行されており、入管へのビザ申請代行を手がける多くの行政書士事務所が広告を掲載している。広告に「黒転白」の文字を堂々と掲げている事務所もある。
「黒」(不法状態)を「転白」(合法状態に変える)の意味で、中国語の隠語だ。在日中国人社会では、この3文字は「偽装結婚などで不正にビザを取得すること」と認識されている。
警視庁が2006年以降に摘発した外国人による偽装結婚や不法就労事件のうち、少なくとも10件で、在留資格などの不正取得の手続きを行政書士が代行していたことがわかったと読売新聞が報道した。
同紙によると、同庁が昨年5月、韓国人の女性(39)の在留資格を不正に取得するため日本人の男(35)との偽装結婚をあっせんしたとして韓国人ブローカーの男(39)を逮捕した際、このブローカーが女の結婚に必要な在留資格認定証明書の申請手続きを、首都圏の行政書士に依頼したと供述した。入管難民法には虚偽の申請行為に罰則規定がなく、行政書士が任意の事情聴取に対して「偽装とは知らなかった」と否定したため、立件できなかった。
2010年には、行政書士がからんだ大がかりな事件が発覚している。東京の行政書士とその妻が入管難民法違反(資格外活動)のほう助などの疑いで警察に逮捕されたのだ。
手口は、営業実態のない貿易会社に「中国人を雇用した」と偽って2008年5月ごろから約50人の中国人に不正に就労ビザを取らせ、約4000万円の報酬を得ていたとされている。妻は中国籍から日本人に国籍を変えている。
警視庁は、東京都や東京入国管理局と合同で「偽装滞在に関与する行政書士対策連絡会議」を設置して、行政書士による不正行為への監視を強めているという。

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