子供の国籍と姓
子供の国籍について
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世界の国籍法の概要
世界には大きく分けて、血統主義国籍法と生地主義国籍法の二つがあります。
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●血統主義国籍法
- 日本では、生まれたとき両親のどちらかが日本人であればその子は日本人と言う事が、国籍法で決められています。これを血統主義の国籍法と呼びます。
血統主義を取る国には、父母両系主義を採用する国と父系優先血統主義を採用する国とがあります。
また、国によっては複数のシステムを採用している場合があります。 -
(父母両系血統主義の国)
- 日本、アイスランド、イスラエル、イタリア、エチオピア、オーストリア、オランダ、ガーナ、スロバキア、朝鮮民主主義人民共和国、デンマー ク、ドイツ、トルコ、ナイジェリア、ノルウェー、ハンガリー、フィリピン、フィンランド、フランス、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、中華 人民共和国、モンゴル、ミャンマー、パプワニューギニア、ブルガリア、ユーゴスラビア連邦共和国、アルベニア、リビア、コンゴ民主共和国、ヨルダン、コー トジボワール、トーゴ、マラウィ、ソロモン、コモロ、ジプチ、コスタリカ、エルサルバドル、インド、ルクセンブルグ、大韓民国、タイ・・・・
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(父系優先血統主義の国)
- アラブ首長国連邦、アルジェリア、イラク、イラン、インドネシア、エジプト、オマーン、クウェート、サウジアラビア、シリア、スーダン、スリランカ、セネ ガル、トンガ、ネパール、ブルネイ、マダガスカル、モロッコ、レバノン、中華民国(台湾)、サンマリノ、イエメン、カタール、ソマリア、チャド、マリ、ル ワンダ、スリナム、ハイチ、モルディブ・・・・
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(生地主義が原則の国)
- アメリカ、カナダ、アイルランド、イギリス、ニュージーランド、メキシコ、フランス、アルゼンチンベネズエラ、ウルグアイ、エクアドル、グレナダ、ザンビア、タンザニア、パキスタン、パラグアイブラジル、ペルー
●生地主義国籍法
国際結婚による子供の日本国籍選択
- 国際結婚した場合、父親または母親が日本人であればその子供は日本国籍を取得する権利が生じますが、22歳までに国籍を選択する必要があります。但し、二 重国籍を認めていない日本の法律によって、日本国籍を選んだ場合は外国籍を放棄、外国籍を選んだ場合は日本国籍を放棄する必要があります。
ちなみに22歳以下の国籍選択留保者は約40万人。●国籍法 第二条(出生による国籍の取得)
子は、次の場合には日本国民とする。- 出生のときに父又は母が日本国民であるとき
- 生前に死亡した父が死亡のときに日本国民であったとき
- 日本で生まれた場合において、父母がともに知れないとき、又は国籍を有しないとき
日本での外国人女性との未婚出産規定
- 外国人女性と日本人男性との間で未婚出産した場合は、出生前に認知するか、生後認知の際は出産後に両親が結婚しない限りは、生まれた子供に日本国籍は与えられません。(国籍法第3条)
但し、2006年3月29日、婚外子の日本国籍を求める裁判で、2東京地方裁判所は婚外子差別をしている現行の国籍法は違憲として、原告の子供たちに日本国籍を認める判決を出しました。
出生届方法
●国内で生まれたとき
- 届出期間
- 子供が生まれた日を含めて14日以内です。ただし14日目が市役所の休日にあたる場合は翌開庁日までとなります。
- 届出地
- 父母の本籍地、子供の出生地、届出人の所在地のいずれかの市区町村役場
- 届出人
- 父または母
- 届け出に必要なもの
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- 出生証明書(病院でもらえます)
- 母子健康手帳(親子手帳)
- 国民健康保険証(国民健康保険に加入する場合)
- 子の国籍について
- 父母のいずれかが日本人であれば日本国籍を取得します。
外国籍の父または母の国籍が取得できるかどうかは、その本国の在日公館(大使館・領事館)にお問い合わせください。その本国の法律によっては、外国人父または母の国籍を取得できることもあります。
●国外で生まれた場合
- 届出期間
- 子供が生まれた日を含めて3か月以内(最寄の日本大使館へ)
- 届出地
- 本籍地または届出人の所在地もしくは子供の出生地、在外公館(大使館・領事館)
- 届出人
- 父または母
- 届け出に必要なもの
- 出生証明書及びその訳文(訳者を明らかにしてください)
- 子の国籍について
- 父母のいずれかが日本人であれば日本国籍を取得します。
外国籍の父または母の本国法によっては、その国籍を取得するときもあります。
また、生地主義が原則の国では、出生によりその国籍を取得することがあります。
※国籍保留について
- 出生により他の国籍を取得したときは出生届とともに「国籍留保届」を提出してください。出生届の記入欄またはその他欄に日本国籍を留保する旨を記入し、署 名押印することで届け出ができます。この国籍留保をしていないと、出生の時点にさかのぼって日本国籍を失うことがあります。 また、国籍留保をしたときは、重国籍状態になりますので、22歳までにいずれかの国籍を選択してください。
●父母ともに外国籍の場合
- 届出期間
- 子供が生まれた日を含めて14日以内です。ただし、14日目が市役所の休日にあたる場合は翌開庁日までとなります。
- 届出地
- 父または母の所在地もしくは子の出生地のいずれかの市区町村役場
- 届出人
- 父または母
- 届け出に必要なもの
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- 出生証明書 (病院でもらえます)
- 母子健康手帳(親子手帳)
- 国民健康保険証 (国民健康保険に加入する場合)
- 子の国籍について
- 外国籍父母の本国法によります。
- もし国籍保留をしていなかったから?
- もし日本に住所があり、本人が20歳以下であれば、もう一度日本の国籍を取り直すことが出来ます。これを国籍の再取得といいます。各地方の法務局の国籍課で扱っています。
●届出書類
- 本人の出生地の父または母の戸籍謄本
- 出生証明書
- 外交人登録済証明書、パスポートなど
(日本に住んでいる事が条件なので、在留資格が観光や親族訪問になっている場合は得る事ができません)
●提出場所
- 法務局または地方法務局
国籍取得後1カ月以内に市区町村役所へ取得の届けを出さなければなりません。
子供の戸籍と名前(結婚後・離婚後)
●日本人親(父または母)と同じ戸籍(同一戸籍)
- 〔夫婦(父母)別姓の子どもの場合〕
- 国際結婚の場合、夫婦別姓でもよいので、夫婦別姓の場合は、日本の姓か外国の姓かの選択になります。
子供の姓も日本の姓にするなら、日本人である親と同じ戸籍のままです。 - 〔夫婦(父母)同姓の子どもの場合〕
- 外国人の姓に戸籍の氏をすでに変えているカップルの場合は、子どものせいもそのまま外国人姓になります。
●日本人親(父または母)の戸籍とは異なる戸籍(単独戸籍)
- 日本の親の姓ではなく、もう一方の親の外国の姓を名乗りたい場合は、子どもだけの単独籍を作ればいいです。親と子どもと戸籍が違うのは、両方の姓が違うときです。以下手順です。
単独戸籍の作り方
- 子どもが生まれると、一度日本人の親の戸籍に記載される。
- 家庭裁判所に「氏変更の申し立て」をし、許可をもらう。
外国人の親の氏に変更するのは地域の家庭裁判所。外国在住のときは、東京家庭裁判所で行う。 - 地域の市区町村役所に子どもの氏の変更許可を届ける
- 同じ戸籍に二つの氏は不可能なので、分籍される(単独戸籍)。
子供を配偶者の姓に変更する方法
子供の姓ですが、一般的に国際結婚ですと、日本人の親の戸籍に入りますので、日本人の親が名乗っている姓を名乗ることになります。
外国人の配偶者の氏を名乗るためには、2つの方法があります。
- 1.婚姻後日本人の親の氏を外国人配偶者の氏へ変更しておく。
- 2.出生後子供の氏を外国人の氏へ変更するよう家庭裁判所に申し立てる。
(*) 2.の場合、認められれば子供の単独戸籍が作成されます。
離婚後の子どもの姓と戸籍
結婚に際して、奥さんが旦那さんの姓になった場合
離婚して、子供の親権者が母親になったとしても、子供は旦那さんの戸籍(離婚時の夫婦の戸籍)のままで、姓も旦那さんの姓のままです。
子供の姓を変更したい場合は、家庭裁判所に 子の氏変更許可申立 をすることになります。
子の氏変更許可申立は、子供の法定代理人(親権者)がする必要があります。子供が15歳以上の場合は、子ども自身の判断により、子供が 子の氏変更許可申立 をすることができます。
離婚の際には、子供の姓についても話し合っておくことをおすすめします。