国際離婚の方法

国際離婚について

国際結婚件数の増加に比例して、国際離婚の件数も増加しています。夫婦の一方が日本人で日本に住居を有する場合の離婚は、日本法が適用されます。但 し日本で離婚が成立しても、相手国の離婚手続きをしないと相手国での離婚が成立していない場合があるので、両国での離婚手続きを行うことが必要です。
また、離婚自体を禁止している国もあるため、日本の法律で離婚が成立した場合でも、外国人の配偶者が本国に戻った際に再婚できないといった問題なども起こります。
国際結婚をした夫婦の場合には、子供の問題を含め、複雑な問題が絡んでくるケースが多いので、国際結婚前・国際離婚前にはしっかりお互いの国の法律を確認しましょう。
離婚後に再婚する際の注意点
まだ現地での離婚が成立していない間に再婚する際は、日本の戸籍上で離婚が成立していれば、日本の法律では再婚してもまったく問題はありません。
国際離婚数
2004年度の日本人の国際離婚15000件。年間の国際結婚数の約4割にあたります。
国際離婚の際に適用される法律
国際結婚をした夫婦が離婚する場合、問題は「どこの国の法律が適用されるのか」ということです。適用する国の法律を「準拠法」と呼び、日本では次の1~3が段階的に適用されます。
1.離婚時の夫婦の本国が同一であれば、その本国法(本国法=夫婦それぞれの国の法律)
外国人の夫や妻が日本に帰化している場合は日本の法律が適用されます。
2.離婚時の夫婦の常居所が同一であれば、その常居所地の法律
日本に住民票がある場合には、日本が常居所(長期間にわたって居住し、生活の基盤となっている所)と認められ、日本の法律が適用されます。ただし、外国に5年以上継続して滞在しているときは、その国が常居所と認定され、その国の法律が適用されます。
3.夫婦に最も密接な関係のある地の法律
夫婦の一方が日本に常居所のある日本人の場合は、日本の法律が適用されます。
日本の法律が適用される場合
日本の法律が適応されるケースは下記の条件の時になります。
  1. 夫婦の本国法がいずれも日本の場合
  2. 離婚時の夫婦の常居所が日本の場合
  3. 夫婦に最も密接な関係国が日本の場合

日本で離婚する場合

日本の法律に従って離婚できる
日本で離婚する際の法律
日本の法律が適用される場合には、日本人同志の離婚と同様に、協議離婚・調停離婚・審判離婚・裁判離婚のいずれかによって離婚することができます。ただし、配偶者の本国が協議離婚を認めていない場合や、裁判離婚しか認めていない場合などには、審判離婚か裁判離婚の方法をとることになります。
また、離婚自体を禁止している国もあるため、日本の法律で離婚が成立した場合でも、外国人の配偶者が本国に戻った際に再婚できないといった問題なども起こります。
日本での離婚成立方法
日本で離婚を成立させるには下記の4通りの方法があり、離婚が成立しない場合には順を追って手続きしていきます。
1.協議離婚
協議上の離婚をする場合には、離婚について双方が合意していれば他には理由は必要ありません。夫婦間で離婚を了解していれば離婚届を役所に提出することで離婚が成立します。
2.調停離婚
一方に離婚する意思があっても相手方が協議離婚に応じない場合には、すぐに離婚の裁判をするのではなく家庭裁判所に離婚調停の申立てを行 う必要があります。離婚調停には裁判のような裁定はなく、調停の際に離婚が適切だと判断しても最終的には夫婦の合意がなければ離婚は成立しません。裁判所 での調停で相手方が離婚に応じない場合には裁判となります。
3.審判離婚
調停担当者によって繰り返し調停が行われても合意には到らず、離婚を成立させた方が適切だと判断しても双方のわずかな相違で合意が成立し そうにない場合には、家庭裁判所は調停担当者の意見を聞いた上で、双方の意に関わらず裁判所の職権で離婚を成立させる離婚審判をすることができます。その 審判に不服がある場合には異議申し立てもできます。
4.裁判離婚
協議離婚も成立せず、家庭裁判所の調停や審判でも離婚成立にまで到らない場合、もしくは協議や調停が不可能な場合に、家庭裁判所に離婚の訴えを起こし、裁判で離婚を認める判決を得なければなりません。
離婚調停によっても合意ができない場合には裁判に訴えることになりますが、「夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り離婚の訴えを提起することができる」と日本の民法では規定されており、これを民法上の離婚事由といいます。これ以外の理由では原則的には裁判離婚は認められません。

■離婚事由

1.配偶者に不貞な行為があったとき。
夫、妻とも互いに貞操を守る義務に反し、一方が不貞行為を行い、婚姻関係を破綻させた場合。
2.配偶者から悪意で遺棄されたとき。
一方が合意なく別居を一定期間継続することで同居、協力といった義務を果たさなくなった場合。
3.配偶者の生死が3年以上明らかでないとき。
最後に連絡があった時から、音信不通で生存が分からない状態が3年以上続いている場合。
4.配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
精神的なつながりがなくなり、正常な結婚生活の継続を期待できない程度の重い精神的障害になった場合。
5.その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき。
夫婦関係が破綻し夫婦として円満な関係が望めず修復不可能な状態になった場合(代表的なものは「性格の不一致」や 「暴力」など)。

離婚後の子どもの問題

国際離婚で最も多くあげられる問題の一つに、子供の出国問題があります。国際結婚をした日本人女性が外国で暮らしていて現地で離婚裁判をした場合、親権は取れても子供の日本への里帰りが認められないという場合が多いのです。
実際にアメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、オーストラリア、中東のイスラム教諸国、などでそのような判例があります。また法律上そのような判決が出る 可能性が高い国があるのも事実です。この場合、いくら子供が日本国籍を保有していても、子供のパスポートは裁判所に保管され、許可がない限り子供は日本に 帰ることはできなくなります。
現在、このような判決は世界中ほとんどの国で主流となりつつあります。 離婚して日本の実家で子供と生活しようとしても、子どもを連れて帰ることができないため、母親は離婚後もその国にとどまることをなかば強要されるわけで す。無断で子供を連れて日本に帰ろうとすれば、誘拐罪で訴えられる可能性もあります。
いったん海外で暮らし始めたら、子供と住んでいる国が母国とみなされ、子供を連れて日本には戻ってこられなくなるかもしれません。 いくらあなたの子供が日本人であっても、です。
海外での裁判では、子供はその滞在国に住むことが大前提とされるからです。 海外での離婚裁判では外国人である日本人には不利だという事実があります。
また日本で暮らしているから安全というわけでもないのです。 いったん配偶者によって子供が海外に連れ去られてしまえば海外での裁判となるからです。 現在、日本の出入国管理局は外国人配偶者による子供の連れ去りを止めることはできません。親による、海外への子供の連れ去りを防止できる有効な法律はありません。
このような問題を防ぐためには、結婚前からこのようなこと(子供にとってのもうひとつの母国について)をパートナーとよく話し合いをしておくべきでしょ う。またお金はかかりますが、弁護士の立会いのもとでPrenaptual Agreement(プリナップ・プレナップ)という結婚前の同意書を作るこ とも泥沼の裁判離婚を回避するためには有効でしょう。

離婚後の復縁に関して

日本での離婚が成立し、配偶者の方の国での離婚が成立していない場合は、 日本の法律にてのみ離婚が成立し、相手国では離婚が成立していない事になっております。

ですので、日本でそのまま復縁の手続きを進めることは可能ですが、日本で復縁の手続きは、結婚の手続きと同様でございますので、 その際に、相手側の婚姻具備証明書が必要になります。

つまり 【日本で結婚する際は、外国人配偶者側の婚姻具備証明書が発行されるのであれば可能】 と言うことです。 これは、国によって違いますが、基本的には、婚姻状態であれば婚姻要件具備証明書は発行されません。

ですので
  • ①一回相手国でも離婚の手続きをし、婚姻要件具備証明書を発行してもらう。
  • ②復縁と言うことを相手の国が考慮し、特別に婚姻要件具備証明書、またはそれに代わるものを発行してもらう。
のどちらかになります。 ②は現在こちらでも確認した事がございませんので、①の手順になるかと思います。

※詳しくは、国際結婚配偶者の在日大使館にお尋ねください。

海外での国際離婚の決定を日本の戸籍に反映させる手続き

国際離婚において、常に日本国内のみで離婚活動を行えるとは限りません。
そういった場合に、海外での国際離婚の決定を日本の戸籍に反映しなくては、日本人配偶者の戸籍には離婚したハズの外国人配偶者との結婚暦が残り続けることになります。
ここでは、海外での手続きを通して決定した国際離婚を日本の戸籍に反映する手続きを解説します。
日本人側が相手側の国の法律で離婚して、その事実を日本に反映させる場合
日本人の場合、現地で離婚が成立している場合は、その証明書類(公的なもの)とその翻訳を本籍地のある区役所に提出すれば、相手不在でも離婚は成立します。
外国人配偶者側が自国の法律で離婚し、その事実を日本に反映させる場合
判決や離婚が確定した公的書類(判決謄本や確定証明書)などがあり、 その、原文 と 訳文(訳した方の署名捺印必要)と外国人登録証(念のため)を持って、本籍地の役所に外国人配偶者の側が提出しても有効である。

ただし、 原告が外国人の場合、被告である日本人が、その離婚に対して、反訴したかどうか、しなかったかどうかの証明書が必要になる場合がある。
つまり、日本人側が一方的に反論もできずに離婚という事態(不利な状況)になっていないという証明が必要になる場合がある。

一例をあげると、離婚の判決の際に、判決文の中に、日本人側が納得しているという旨が書いてなければ、しっかりとした合意があったか、または、平等に反論の機会やチャンスが与えられていたかを証明する書類が必要になります。

日本国側としては、日本人が一方的に不利な状況で勝手に日本人の戸籍から離婚をしているという事態がないように、審査する可能性もあり得るということです。
初めての国際結婚で相談!
これだけは気をつけよう!悪徳業者の見抜き方
国際結婚を失敗しないために国際結婚を失敗しないために
特定非営利活動法人(NPO法人) 国際結婚協会
お気に入りに登録
国際結婚協会では
CO2削減に貢献しています
チーム・マイナス6%
岡村国際法務事務所

↑ページトップへ